聖なる石ターコイズ
Turquoise
ターコイズは空と水の色魂にしみ通りパワーが湧きインディアンのお守りの石様々な神話や迷信と共にインディアンに伝わるターコイズ大地から生まれた青い石は地球のエネルギーの塊が詰まっている。
インディアンが作る銀やターコイズのジュエ リーの始まりは、19世紀、メキシコか ら北上してきたスペイン人がナバホ族に銀細工を教え、ナバホ族から他の部族に技術が伝わり、やがてターコイズを組み合わせ、独自のデザインが花開きました。
ターコイズは、危険や邪悪なエネルギーから持ち主を守るとされ、古くから持ち主に危険が及ぶと変色したり欠けてしまったりと神秘的な伝承も数多く残っている石で、危険から身を守る為、ある部族はこの石を盾にはめ込んで戦に臨んだと言われています。
元々ターコイズをお守りや儀式の道具としてインディ アンは、ジュエリーにも精神的な意味を込めた。広大な大自然を相手にした彼らの生活は、時に神に祈るし か術がないほど過酷なものだったのです。
チャールズ・ロロマ 20世紀にはチャールズ・ロロマというホピ族の天才ジュエラーが登場し、白人社会にブームを起こしたが、彼も又、部族の伝統とアメリカ社会の間で葛藤し、戦い続ける人生だった。
そんな彼らが強く生きるために祈り を込めて作る物だからこそ、インディアン・ジュエリーは美しく輝く。彼らの物語を知れば知るほど魅力的なのなです。
ターコイズ トルコ石
青色から緑色の色を持つ不透明な鉱物で、化学的には水酸化銅アルミニウム燐酸塩である。良質のものは貴重であり、12月の誕生石。
米国の南西部は、トルコ石の産地である。アリゾナ州、カリフォルニア州、コロラド州、ニューメキシコ州、ネバダ州がかつて豊かだった。
ニューメキシコ州セリロスには最も古い鉱山があり、19世紀の終わりに、ニューヨークのティファニーが所有、ティファニー・ターコイズと呼ばれる。1920年代以前にはニューメキシコが国内最大の産地だったが、枯渇している。
キングマン・ターコイズ
スカイストーン、空の石呼ばれ、インディアンが採掘して儀式や装飾などに使い、水の色と空の色を映りだすところからインディアンにとって神聖な石とされた。
ナバホ族はターコイズを幸運のお守りとし、災いを払う力があると言われている。アメリカではスパイダーウェブ”と呼ばれ、クモの巣の模様のターコイズは、価値がある。
世界で価格の高いトルコ石は、ネバダで採掘された濃いブルーに細かなスパイダーウェブの「ランダーブルー」現在では数十カラット以上の大きな物は$10000以上の価格がある。
アリゾナは、価値の面では主要な産地である。鮮やかなビズビーブルーがそこの天然の品質のよいアリゾナ産のものは、多くが銅採鉱の副産物として採取されている。
ネバダはもう一つの大産地であり、歴史上、推定で75から100か所の鉱山が開かれた。ネバダ産「蜘蛛の巣状の基質スパイダーウェブ」は、茶色や黒の褐鉄鉱の石理が特徴で、スパイダーウェブが入っていないターコイズは価格も安い。
ターコイズ パワーストーン
ターコイズは、空色の色彩のように非常に明るいエネルギーを持ち、ネガティブなエネルギーを払いのけ、困難を乗り越えて願望を達成させてくれる。
又勇気と行動力をもたらし、はつらつとした積極性を与えてくれので、新しい事に対して臆病に成ってしまう人には、大切な一歩を踏み出す力を貸してくれると言われている。
蓄積したストレスを解消させるパワーで、波立った感情を穏やかに鎮めると言われています。仕事や人間関係などでトラブルに巻き込まれ、悩まされる時にはこの石をアクセサリーとして身に付けると良い。
ターコイズ鉱山
Turquoise mine
Bisbee (ビズビー)
上質なものは深く透明感のある青色が特徴で、ワイルドな模様が魅力。コレクターの中ではLander BlueやNo8と並んで必ず名前の挙がる石でもあります。
現在は枯渇して久しい状態のため上質なものは非常に高価です。写真はスモーキービズビーと呼ばれるタイプ
Sleeping beauty (スリーピング・ビューティ)
スリーピングビューティ鉱山より産出。現在も産出が続く世界有数のターコイズ鉱山。カラーレンジはライトブルーでマトリックスがほとんど無く、含有される場合は石英質が多い。
Turquoise Mt. (ターコイズマウンテン)
Kingman 鉱山付近から産出。ブルーベースで、明るいタン系のマトリックスの周囲が緑色となる美しい石。80年代に採掘を終了している。
Morenci (モレンチまたはモレンシ)
最初に商品として流通したターコイズの一つ。カラーレンジはブルー系で薄いものから濃いものまである。多くの場合、金色の黄鉄鉱の含有が見られる。
Kingman (キングマン)
Kingman 鉱山より産出。グリーン系とブルー系があり、現在も継続的に産出されている。60年代のブルーと黒マトリックスのものはOLD KINGMANと呼ばれ、高値となっています。
Castle Dome (キャッスルドーム)
Sleeping beauty鉱山の近くで1942年に発見され採掘されたが、1956年には閉山している。別名 Pinto Valley(ピントヴァレー)ターコイズ。市場に出ることは稀で入手は難しい。
King’s Manassa (キングスマナッサ)
コロラド州中南部のマナッサ鉱山で産出。別名リックスキレット・ターコイズ。カラーレンジはブルーグリーン~グリーンで、金か茶色の墨を流したような模様が入る。キング一家が鉱山を所有していたため、このように呼ばれる。近年は入手が困難になってきています。
Cripple Creek (クリップル・クリーク)
この鉱山は主に金鉱山として有名であり、ターコイズはゴールドラッシュの際に福産物として発見された。市場に流通する量は多くないと思われます。
Leadville (レッドビル)
コロラド州レッドビル地区で産出。カラーレンジはライトブルー~ブルー。多くは蜂の巣状の穴が見られるためスタビライズされる。産出量も少ないためルースとして流通するのは稀です。
Blue jem (ブルージェム)
カラーレンジは深緑からブルーまで幅広く、様々な模様(マトリックス)の入った石が多い。70年代半ばに採掘が終了しているため、原石の入手はやや困難。
Blue Diamond (ブルーダイアモンド)
Austin近郊にある鉱山で、標高の高い場所にあるため採掘が困難。カラーレンジはライトブルー~ダークブルーで、不規則なブラックチャートが入るのが特徴、流通量は少なく入手困難。
Damale (ダメイルまたはダマリ)
変わり種ターコイズの代表格。成分的にはターコイズと呼べるのか疑問も残るが、古くからターコイズとして流通している。オリーブ、グリーン、ベージュ、ホワイトなど様々なカラーがあり、複雑な模様が入る。近年になり採掘が再開され、少量だが流通するようになった。
Dry Creek (ドライクリーク)
90年代に入ってから採掘された小さな鉱山で、特徴的な淡いブルー~ホワイトに近いカラーのターコイズを産出。別名ホワイトターコイズ。市場に流通しているホワイトターコイズのほとんどはハウライトで別物です。
Lander Blue (ランダーブルー)
鮮やかなブルーに黒の細かいマトリックスが入るのが特徴。非常に短い期間、ごく少量が採掘されただけなので、ハイグレードのものになると親指の爪程度の大きさで50万~100万円と非常に高価。
近年は中国で非常に近いタイプが産出され、これをLander Blueと称して販売する業者もあるというのでご注意を。
Fox (フォックス)
クレセントバレー地区近郊のFox鉱山(別名コルテス鉱山)より産出。1910年より採掘が始まったが現在産出はない。カラーレンジはブルーからグリーンの間で中間色の美しいターコイズ。過去に産出されたほとんどの石は製品に加工されており、裸石の流通は比較的少ない。
Carico lake (キャリコレイク)
クレセントバレー地区の金鉱山の一部より産出。カラーレンジはライトブルー系とグリーン系があり、中でも写真のようなネオンアップルグリーンのものはアメリカ国内でも非常に人気が高く、とりわけ高価。この緑色は亜鉛成分の含有によるものらしい。
Pixie (ピクシー)
Carico lakeと同じクレセントバレー地区より産出。カラーレンジはグリーン系がほとんどだが、まれにブルーのものも採れるようです。流通量が少ないため国内での入手は、比較的難しい。
Orvil Jack (オービルジャック)
クレセントバレー近郊ブルーリッジにある家族経営の小さな鉱山からごく少量づつ産出。オーナーの名前がそのまま付いたターコイズで、現在も産出はあるものの絶対量が少ないため、日本国内で流通することはほとんど無い。
Canderaria (カンデラリア)
クレセントバレー近郊の非常に小さな鉱山から産出するため、流通量は僅か。カラーはブルー系とグリーン系があり、鮮やかなブルーに赤茶のマトリックスが入るものや、グリーンカラーに細かいグレーマトリックスのものなどバリエーションが豊富。後者はMiss Moffetターコイズとも呼ばれ流通する際は別のターコイズとして扱われています。
Pilot Mountain (パイロットマウンテン)
ブルー~グリーンまで様々な色を産出する。母岩に薄く張付いた状態で産出されるもの(ベイン)が多いのも特徴。また近くのロイストンに非常に近いタイプもあり、区別は難しいです。
Royston (ロイストン)
ロイストン地区にある3つのターコイズ鉱山より産出される。カラーはダークグリーン~ライトブルーまであり、単一ではなくこれらのトーンが混ざり合った石が特徴。写真のタイプは特にOld Roystonと呼ばれるミリタリーカラーのものです。他の産地と比較して石が柔らかいと言われています。
Ajax (アジャックス)
ロイストン地区近郊で比較的最近になってから産出されている。カラーは薄いブルー~濃いグリーンで、茶色のマトリックスが入る。カラーではロイストンとの区別が難しそうな石です。
Easter blue (イースターブルー)
1907年に発見された比較的小さな鉱山で、初めて取り出されたターコイズの色から鉱山名が付けられた。現在採掘されているものはブルー系のロイストンによく似ている。
No8 (ナンバーエイト)
パウダーブルー~ライトブルーに明るいタン系もマトリックスが入る美しい石。1929年から1960年まで採掘されましたが、現在はコレクター所有のものが流通する程度。特にスタビライズ(樹脂含浸処理)されていないものは、ナチュラルと呼ばれ高値で取引されます。華やかさがあるため、日本でも人気の石です。
Daring Dalene (ダーリンダーレン)
1972年より採掘が始まるが比較的小さな鉱山のため、産出量は非常に少ない。変わった名前だが、鉱山オーナーが自分の娘の名を付けたという。カラーはライトブルー~ブルーグリーンまで。石灰質の地層から産出される珍しいターコイズです。
Red Mountain (レッドマウンテン)
Cortez地方のRed Mountain鉱山から産出されたが、すでに採掘は終了している。その名のとおり赤錆色の細かなマトリックスが入る美しいターコイズ。現在は非常に高価でコレクターから流れたものがまれに流通する程度。
Stormy mountain (ストーミィマウンテン)
Tenado地方のStomy mountain鉱山から産出される。カラーはライトブルー~ブルーグリーンまで。現在は採掘を終了しているため、流通量は少ない。写真はシリカ化が進んだ珍しいタイプ。
McGinnis (マックギニス)
1930年に発見された小さな鉱山。ブラックチャートを含んだ鮮やかなブルーから透明感あるグリーンに茶色のマトリックスのものまで、バリエーションは多いが流通量が非常に少ないため、入手困難。
Lone Mountain (ローンマウンテン)
エスメラルダ郡のLone mountain鉱山から産出されたが、すでに採掘は終了している。当時は透明感のあるブルーからライトブルーまであり、ブラックマトリックスを含むものも多く産出されました。現在は非常に高価でコレクターから流れたものがまれに流通する程度。写真はローグレイドのナチュラル。
Bonanza (ボナンザ)
70年代にエスメラルダ郡近郊で発見されTorquoise Bonanza鉱山という名で採掘が始まる。1989年から所有者が代わり現在まで少量ながら産出が続いている。近年、アメリカ国内で人気の出てきたボルダータイプ(母岩を含んでカットしたタイプ)を多く産出します。自然が作り出すパターンを楽しむ石です。
Hachita (ハチタ)
ニューメキシコ州の代表的鉱山区より産出。掘り出される石の、95%以上はグリーン系であり、クリーミィで優しい色調が特徴。細かなオレンジのマトリックスが入るものもあり、ニューメキシコのNo8といった印象。
Santa Rita (サンタリタ)
サンタリタ鉱山より産出される。カラーは柔らかなブルーが多く、日本国内での流通はほとんど無いと思われる。
Tyron (タイロン)
1800年代から先住民達の手で採掘が始まり、長い間採掘が続けられてきたが1980年以降は採掘されていないため、現在流通している石はごく僅か。そのほとんどは製品から外されたものか、個人コレクターから流出したものでる。
Cerrilos (セリロス)
有史以前から採掘されていたとも言われる、古い鉱山で、1890年から約10年間、ティファニーはこの鉱山を所有し、大量の高品質なターコイズを掘り出しました。当時は様々なカラーを産出したようです。現在は全く産出がない。
フレッドハービースタイル
アメリカ西部開拓時代のイギリス系実業家の名前で、彼の会社フレッドハービー社は、駅に隣接したレストランやホテルをチェーン展開して鉄道事業で大成功します。
1849年から、アメリカ各地で起こったゴールドラッシュにより、集まった多くの白人が汽車を交通手段として利用し、それに目をつけたのが「フレッドハービー社」です。
1876年、簡単に済まされていた車内の食堂を充実させ、鉄道沿いにレストランをオープンさせました。
中西部から西海岸と広範囲に渡り、統一した質のよいサービスをするのは当時にしたらとても斬新な事でした。
制服を着て、質のよいサービスをするフレッドハービー社のウェイトレスは「ハービーガールHarvey Girl」として評判になります。
順調に経営を広げていったフレッドハービー社が目を付けたのが鉄道で西部に来た観光客相手にインディアンジュエリーを販売することです。
その当時のインディアンジュエリーは材料を分厚いまま使うことが多く重たいものでしたが、フレッドハービー社は土産物として持ち帰りやすく薄く軽く作らせます。
材料も道具も今のように充実していなかった時代、インディアン達はこのようなジュエリーを、当時の銀貨や銀食器から作っていました。
デザインはサンダーバード、アロー、スワスティカなどいかにもインディアンジュエリーといった印象のモチーフを使ったものが多く作られました。
これが1910年代~1940年代にかけて大ヒットして後にフレッドハービースタイルと呼ばれることになります。
1920~40年頃にアメリカ西部で流行っていたとされる、コマーシャルの意味合いを含めたジュエリーです。
インディアン・メイドもあるが、白人のビジネスとしての目的もあり、大量生産の為プレス機で作成されたものもある。
見事流行り、フレッドハービー社がコマーシャルジュエリーを最初に始めた事から、こうしたジュエリーを「フレッド・ハービースタイル」と呼ぶようになりました。逆に本家のインディアンジュエリーに影響を与えることになります。
一世を風びしたフレッドハービー社も自動車の普及と共に倒産に追い込まれてしまいましたが、現在もホテルや鉄道の駅は歴史的遺産として保存されています。
インディアン・ジュエリーもまた、コレクターの間では根強い人気があり、有名なラルフローレン氏もその一人です。