カウボーイと西部劇
Cowboy
カウボーイは、北アメリカ大陸などの牧場で見られる畜産業に従事する牧場労働者、牧童の事女性をカウガールと呼び元々「カウボーイ」は「牛泥棒」を意味し牛飼に対する単語はスペイン語の「Vaquero」が使われた。
19世紀後半に入ると、メキシコやテキサスなどを中心に大陸南部から、西部、中西部で野生化していた牛を駆り集め、それを市場である東部やゴールドラッシュに沸く西部に届けるために
大陸横断鉄道の中継地である中西部や北部の町へ 馬と幌馬車を連ね何日もかけて移送する業務で「Long Cattle Drive」に従事していた労働者を指す言葉に変わっていった。
当時は牧場主や牧童、牛飼をカウボーイと呼ぶ事は無かったが、現在は牛の世話をする牧童という意味がある。
西部開拓の完全な終わりを迎えた20世紀に成ると、西部劇や小説などでノスタルジックなロマンをかきたてる対象として美化され始め、現在ではアメリカの象徴に成った。
職業に関係なく、カウボーイブーツを履きカウボーイハットをかぶった者も「カウボーイ」と呼び、特にそういう格好をした農業従事者やトラックドライバーやカントリー・ミュージシャンなどが そう呼ばれることが多い。
野性的で勇敢なイメージはアメリカ男性の一般的肖像とされ、それが転じたスラングとして「伊達男」
「やんちゃ坊主」「目立ちたがり屋「無茶な運転をするドライバー」などをカウボーイと呼ぶ場合もある。
スペインをはじめイギリスやヨーロッパの文化や牧童の風俗習慣とアメリカ先住民の文化がミックスされカウボーイの文化が作られた。
これはアメリカの初期の歴史そのものであり、その影響は現在のアメリカのファッションやスポーツやレジャーから食や風俗習慣まで幅広く浸透していて、アメリカという国を特徴づける大きな象徴と成っている。
カウボーイはインディアンとは元々敵でありながら、経済活動も盛んであり、その文化的影響も大きい。
そしてインディアンとバッファローとオオカミが織り成す、悠久の昔からつづく関係とその文化がカウボーイを支えていた。
映画「荒野の決闘」
アメリカ合衆国は超大国などと表現されるが、その初期を支えたバッファローもインディアンもオオカミも、白人の手により殺され、現在では風前の灯火の様な存在である。
日本ではハリウッド映画や「マカロニ・ウェスタン」の影響で白人のイメージが強いが、タフな仕事である為、アフリカ系アメリカ人などの有色人種もいた。
その後クリント・イーストウッド監督でモーガン・フリーマンが出演した「許されざる者」1992年につらなり、クエンティン・タランティーノ監督の「ジャンゴ 繋がれざる者」2010年ではジェイミー・フォックスが主演して従来の白人中心のインディアンを差別化する西部劇映画に異議を唱えた。
西部劇 Western Movie
ウェスタンの訳語で19世紀後半のアメリカ合衆国の西部開拓時代に当時フロンティア、未開拓地であったアメリカ西部を舞台にした小説や映画等の事と言う。
南北戦争後の19世紀後半のアメリカ西部を舞台に、開拓者魂を持つ白人を主人公に無法者や先住民と対決するストリーが、白人がフロンティアを開拓した開拓者精神と一致し、大きな人気を得て、20世紀前半のアメリカ映画の1つのジャンル成った。
19世紀後半のアメリカ西部開拓期を撮った映画が西部劇であり、「若きパイオニア精神が壮烈なアクションとともに展開するのが特徴」であるが、
「1987年、現在西部劇は殆ど滅び去ったと言ってよく、パイオニア精神の失われた今のアメリカで成り立ち得ないジャンル」とされている。
映画「駅馬車」
19世紀後半、1860年代から1890年代のアメリカ西部を舞台とするとした西部劇の定義は必ずしも厳密なものではなく、「明日に向って撃て!」「アラスカ魂」「ワイルドバンチ」は、20世紀初頭の物語であり、「明日に向って撃て!」は最後は南米ボリビア、「アラスカ魂」はアラスカ、「ワイルドバンチ」や他に「荒野の七人」などはメキシコが舞台だが西部劇のジャンルとされている。
西部開拓は、19世紀(特に1860年・江戸時代(安政7年頃)に始まり1890年(明治23年)代のフロンティアの消滅まで)における、北アメリカの時代区分の一つです。