カリフォルニアコンドル
アリゾナ州/ユタ州
California Condor
世界でわずか200羽聖なる神の使いカリフォルニアコンドル
インディアンの聖なる存在でもある大きな翼を広げて、上手に気流に乗り高さ4600m以上の空を飛とぶ事もある羽を、一杯に広げて空を飛ぶカリフォルニアコンドルは、広々としたアメリカ大陸に似合にあう北米で一番大きい鳥です。
カリフォルニアコンドルは、かつてアメリカ大陸中を飛び回っていたが、有史以前にその大半が死滅したと考えられている。
ヨーロッパ人が初めてアメリカに到着した頃は、ごくわずかな範囲にのみ生息していた。
動物界脊索動物門鳥綱タカ目コンドル科、カリフォルニアコンドル属に分類される鳥で特定動物に指定されている。
アリゾナ州北部、カリフォルニア州、ユタ州に生息していて、全長100~140cm、翼開張250~290cm、体重8-~4kgがある。
アリゾナ州のグランドキャニオンのヤパパイ・ポイントでまれに観る事が出来る。
頭部には羽毛が無く、明褐色やピンク色の皮膚が綺麗で、胴体は黒い羽毛、頸部は襟巻き状の羽毛で覆われ、雨覆や風切羽の羽縁は白い。
カリフォルニアコンドルの成長は遅く、繁殖回数は少ない。卵を産むのは6~8歳に成ってからで、メスは1年おきに1個しか卵を産まない。
ただし、その卵が持ち去られると、メスは2個目、3個目の卵を産む。この習性を利用して、人工飼育の為に卵を収集する活動が行われている。
カリフォルニアコンドルは、翼を広げると3m近くに成る北米最大の鳥です。
北アメリカ西海岸から南部にかけて分布をしていましたが、1980年初めには22羽がカリフォルニアにのみと成り、絶滅寸前まで追い込まれました。
減少の原因は、家畜を襲って食べると言う誤解によって駆除された事やDDTにより卵殻が薄く成り繁殖が失敗し続けた事などがあげられています。
これほどまでに減少したカリフォルニアコンドルは、そのままにしておくと確実に絶滅する為に、アメリカ内務省魚類野生生物局(FWS)やロサンジェルス動物園、サンディエーゴ動物園、ペリグリンファンドなどが共同でリカバリーチームを結成し野生復活をはじめました。
全てのコンドルを捕獲し人口増殖に踏み切ったのです。幸い、動物園にはアンデスコンドルで繁殖の経験があった為、その技術を応用する事で増殖自体は順調にいきました。
そして1992年には初めて2羽をカリフォルニアの空に飛ばせる事が出来ました。
その後、順調に行くかに見えたプロジェクトでしたが、すぐに大きな難問に突き当たりました開発による生息地の破壊や、狩猟による乱獲、動物駆除用の毒薬や狩猟で死亡した動物の死肉を食べる事による中毒死や放した鳥が何羽も感電死してしまったのです。
この事態を受けてコンドルを電柱に止まらない習性にする訓練を行なったり、電柱に感電しない仕組みをつくたりして問題を克服しました。
しかし今度は銃弾によって撃たれ死んだ鹿を食べ鉛中毒に成る固体が次々に出現。この問題は未だ解決されていません。
1940年代には、生息数が100羽未満1980年代には、野生個体数は8羽まで減少したと推定された。
2004年には、カリフォルニアコンドルの個体数は、飼育、野生復活したものを含め200羽まで増加、100羽以上が大空を舞っています。
現在はサンディエゴ動物園、ロサンゼルス動物園などで飼育下繁殖した個体を再導入する試みが進められている。
1999年においては野生個体57羽、飼育個体97羽まで個体数が増加し、2015年12月、野生や飼育されている435羽のコンドルが生息している。