レッドブル・エアレース
Red Bull Air Race
室屋義秀がエアレース2勝目レッドブル・エアレース・ワールドチャンピオンシップ第2戦が4月16日2017年アメリカ・サンディエゴで開催され室屋義秀が優勝を果たした。
室屋の優勝は昨季、千葉で開かれた第3戦以来2度目。室屋は一昨季のシーズン後半、4戦の内3戦でファイナル4に進出し、調子がよかった時期があるが、優勝に手が届かず、3位が2回あった。
レッドブル・エアレース・ワールドチャンピオンシップとは ?
自身も選手として参戦していたピーター・ベゼネイが提案し2003年にレッドブルの企画で始まった曲技飛行パイロットによるエアレースシリーズの総称。国際航空連盟公認のレース。
最高速度370km/h、最大負荷10Gにおよぶ過酷な空中タイムトライアルの連続でイベントが構成され、「世界最速のモータースポーツ・シリーズ」「空のF1」と言われる。
厳しい競技環境に耐え得る強靭な肉体と、飛行機を正確に操る技術力・集中力が要求される競技であり、曲技飛行の国際選手権優勝者や空軍教官を経歴に持つパイロットが多数を占めている。
2011年から2013年までシリーズは休止されていたが、2014年からはエンジンとプロペラを統一して再開された。
日本でも2015年(第2戦・2015年5月16日、17日)2016年(第3戦・2016年6月4日(予選は中止)5日)に千葉県千葉市美浜区の幕張海浜公園で開催された。
レッドブル・エアレースの機体について
軽量&頑丈
レッドブル・エアレースで使用される機体はスピードを追求するために限界まで軽量化されています。それに加え非常に頑丈で、10G程度まで耐えられる設計と成っている。
Gとは…重力加速度。物体を落としたとき、その物体が時間当たりのにどれだけ速くなるかを示した量。10Gは、物体が静止しているときの10倍の力がかかるということ。
エレベーターが上昇するときにかかるGは+0.05~0.1G程度、ジェットコースターなどでは最大2~3G程度なんだとか。この先は日常生活では体感することはほぼありません。
ということで、10Gの桁外れなかんじがおわかりいただけますでしょうか。旋回・急上昇したときにかかるGに耐えるため、パイロットたちは訓練しています。10Gに耐えうる機体の性能だけでなく、パイロットの能力も重要なポイントです。
改造は不可能
2014シーズンからは、共通のエンジンとプロペラの使用が義務付けられていますが、それ以前は機体の自由な改造が可能でした。パイロットとチームは機体の改造の代わりに、空気力学やパイロットの技術向上に取り組むようになりました。
空気力学
空気の運動や空気中を運動する物体に作用する力を扱う流体力学の一種。空気中を飛行する飛行機は、翼に強く空気の影響を受けます。翼に当たる空気を利用し、揚力を得たり、方向転換や減速方法の一つとして空気を利用します。
速度の調整、舵を切るタイミングの判断などを的確に行うためにはパイロット自身とサポートするチーム全体が空気力学を理解する必要があります。
使用を許される機体は3機種レッドブル・エアレースでは、3機体は「EDGE 540」「MXS-R」「CORVUS RACER 540」使用が認められています。室屋選手レッドブル・レース2回目の優勝の走り サンディエーゴ 4月16日2017年
サンディエーゴ在住Sam Sugeta氏撮影