ジョシュア・ツリー Joshua Tree
北米の南西部のアリゾナ州西部、カリフォルニア州南東部、ネバダ州南部、ユタ州南西部に分布し、比較的標高の高い地域に生息する。
モハベ砂漠のシンボルであるジョシュア・ツリーは、モハベ砂漠の標高400m~1800mで生育し、特にカリフォルニアのジョシュア・ツリー国立公園では、多くのジョシュア・ツリーが見られる。
モハベ砂漠の領域(境界)は一般に、ジョシュア・ツリーの分布により定義され、ジョシュア・ツリーはこの砂漠の指標種 (Index Species) とされる。デスバレーの山間部や、ザイオンの近くでも見かける。
ジョシュア・ツリーの名前の由来は、モルモン教徒が西部開拓時代にジョシュア・ツリーと遭遇した際、ジョシュアが天に手を差し伸べて祈りを捧げるという聖書から名付けた。
ジョシュア・ツリーは砂漠の植物としては生育が早く、最初の10年は平均年7.6cm、その後1年で3.8cm成長する。
幹は数千の繊維からできており、年輪は形成されないため樹齢は測りがたいが数百年以上の樹齢が推測されている。
樹高は15mに及び、その根は11mまで広がっている。
葉は濃緑色で長さは15~35cmで幅は7~15cmである。2月から4月にかけて開花し円錐花序は長さ30~55cmで幅が30~38cmとなり各々の花は4-7cmの大きさである。
ユッカ蛾により受粉する虫媒花である。枝分かれは開花後に起きる。また開花は毎年おきるとは限らず降水量に依存し、また開花前の冬に氷点下になった場合に開花する。
Cahuilla族アメリカ州の先住民は実を食料に繊維をサンダルやバスケットに編んでいた。
U2のアルバム「ジョシュア・ツリー」
ジョシュア・ツリーは、アイルランドのロックバンドのU2のアルバムで世界的に大ヒットした。
U2はアフリカ救済、エイズ撲滅などのチャリティーイベントに参加して世界的な知名度を得ており、本作でその人気が爆発する。
全米チャートで9週連続1位を獲得し、全世界でのセールスは2500万枚を超え、U2の最も売れたアルバムとなっている。
発売当時、アメリカのTIME誌はU2の写真を表紙に載せ、「Rock’s Hottest Ticket」という見出しを付けた。
グラミー賞では最優秀アルバム賞、最優秀ロック・グループ賞を1988年に獲得した。
シングルヒットした「ホエア・ザ・ストリーツ・ハヴ・ノー・ネイム」(1989年のグラミー賞最優秀パフォーマンス・ミュージック・ビデオ受賞)や「アイ・スティル・ハヴント・ファウンド・ホワット・アイム・ルッキング・フォー 」「ウィズ・オア・ウィズアウト・ユー」は、U2の代表曲としてライブでも歌われ続けている。
アメリカ議会図書館が毎年公表しているNational Recording Registry(将来に渡って保存すべき録音資料)に、2013年分の登録作品に選ばれた。